2005年05月31日
eラーニングとロングテール
[eラーニング ]
ロングテール
「ロングテール」あるいは「ロングテイル」この言葉を聞いたことはあるだろうか?
一般の人には、まだ馴染みの薄い言葉かも知れない。しかし、インターネット業界ではにわかに注目を集めている言葉だ。
はてなによると、以下のように示されている。
流通コスト、在庫コストがネットビジネス、カタログビジネスでは従来のビジネスに比べて圧倒的に低く抑えることができるので、細かいニッチなアイテムを数多く集めることによって必ずしもヒット商品に依存しすぎずに売り上げをあげることができることを暗示する。
今まで無視してきた長い尻尾の部分の売り上げを積み重ねていくと、一部の売れ筋商品の売り上げをを超えていくというものである。その曲線形状が、長い尻尾のように見えることから、ロングテール(長い尻尾)という名前になる。一般に、2割の商品が8割の売り上げを稼ぐといったパレートの法則があるが、ロングテールを捕まえた企業では成り立たなくなるという意味だ。
具体的な例では、アマゾンは在庫コストがほとんど0に近いため、世界最大の在庫量を誇っている。そのため、手に入れにくい本は、事実上アマゾン以外では買うことができないという状況を作り上げた。米国のアマゾン・コムの本の売上げの半分以上が、販売部数ランキングの四万位から二百三十万位までのロングテールから上がっているようなのである(外部の研究者による推定)。といわれているぐらいである。
ロングテール以前のマーケティング
さて、そのロングテールを語るには、ロングテール以前のマーケティングを語らなければならない。マーケティングとは、様々なコミュニケーション手段を通じて、商品をアピールする方法だ。たとえば、広告の場合、新聞や雑誌、テレビラジオを通じて、商品をアピールする。マーケティングの究極の目標は、セールスをなくすことだという言葉があるが、誰かが売り込まなくても自然とその商品を買いたくなってしまう状態を作ってしまえば、その広告は成功だということになる。
そこで、より少ないコスト(時間やお金)でより多くの効果を発揮するために、マスに訴えられる媒体(メディア)が選ばれた。新聞からラジオへ、ラジオからテレビへといったようにその時々選ばれた媒体が栄枯盛衰のように変化していった。これはイコールそのときもっともマスに訴えられる媒体であったということだ。
ロングテールによる変化
では、ロングテールの時代になると何が変わるのだろうか。それは、訴える対象が異なるという点だ。ロングテールを捕まえようとすると、マスに訴えることよりも、少数の意見に耳を傾けていくことが重要になる。アマゾンのアフィリエイトプログラムは、アマゾンとして宣伝できない、売れ筋でないロングテール向けの宣伝を他のアフィリエイターに委譲していると考えられる。
eラーニングの特質
それでは、なぜこのロングテールとeラーニングがどう関連するのかを論じよう。従来の対面型の教育からeラーニングへの最大の変化は、それが労働集約的なものではなくなったことである。
ブレンディッド型はさておき、VODやWBTは、サービスの提供時に教師が側にいる必要が無くなった。サービスは、瞬間的に消費されるものではなく、蓄積できるものになったといえる。このことは、新たなeラーニングをどれだけ提供しようとも、コストが変化しないということである。言い換えると、ほとんどのコストは固定費となり、変動費の要素が減少したことになる。
.eラーニングとしてのロングテールの捕まえ方
eラーニングにおけるロングテールの捕まえ方は以下の3点に集約される。
1.コンテンツの集約、配送にコストがかからないこと
2.集金に対し、コストをかけないこと
3.できる限り多種多様のコンテンツを集めること
eラーニングになったことにより、コンテンツを保持することに対するコストは減少したと述べた。このことは、1.を比較的容易にする。eラーニング自体は、ただの電子データに過ぎないので、その存在自体が配送が容易になっている。そのため、集約さえ容易になれば、1.を解決することができるというわけだ。
次に、2.の集金に対し、コストをかけないことというのがカギになる。ほとんど売れないコンテンツに対し、こつこつ課金していくことが重要だ。このときの1コンテンツあたりの料金を、どの程度に抑えられるのかというのが、勝負を分けるだろう。
最後に、かつ、一番重要な問題が、3.のできる限り多種多様なコンテンツを集めることだ。多種多様なコンテンツを作成する必要があり、一企業や組織がそれを作っているのでは、圧倒的にコンテンツの量が少なく、ロングテールのメリットを得るところまでは至らない。つまり、現状のeラーニングのコンテンツ量では、ロングテールを捕まえることはできない。
しかし、このロングテールを捕まえるという考え方は、破壊的イノベーションの可能性を秘めている。現状では、eラーニングのコンテンツを個人が作成するメリットは、ほとんど無い。特に、個人がコンテンツを作成する意味は皆無といえよう。しかし、自身のノウハウを元に本を書いてみたいという人は存在する。そのような小さなニーズをeラーニングのコンテンツに向かわせることになる。
個人がどんどんとeラーニングのコンテンツを作っていくことになれば、爆発的にコンテンツ量が増えることになる。それらは、クオリティとしては低いまましれない。しかし、コンテンツが増えることは、現状考えられている展開を超えるような発展につながる可能性がある。インターネットを使い知が拡大するための一歩となる可能性がある。
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