2006年07月21日
人材育成本10月にダイヤモンド社から発売へ
[ID instructional design(インストラクショナル・デザイン) , 教育全般 , 書籍 , 人材育成 , 日記 ]
昨年度、1年間かけて行ってきた人材育成本の脱稿が終わったという朗報が入った。最後は、編者の中原さんにすべてお任せ状態になってしまった。お忙しい中、ありがとうございました。
さて、振り返ってみると、このプロジェクト(通称book研)は、私にとって大きな意味を持っているのだと思う。そこで、決して書籍になることはない私なりの「エピローグ」を書いてみたいと思う。
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エピローグ
このエピローグは、実は執筆最中に素案をまとめていた。通常、執筆が終わった後に、執筆への想いや読者への期待、本文に入れられなかったことなどを書き、執筆活動をまとめるのだと思うが、それを執筆中に行いたくなったのだ。それは、もちろんエピローグ担当になりたかったわけではない。むしろ、何を書こうかということよりも、エピローグを書くことで「このプロジェクトが私にとってどのような位置づけになるのか」をプロジェクトが終わったときの目線から、つまり、自分自身を少し俯瞰した目で見つめてみたいと思ったからだ。
執筆最中は、あまりに締め切りがキツく、2週間に1度とはいえ、泣く思いだった。力不足ゆえに、1節を書くスピードも他のメンバーの数倍かかり、さらに、クオリティが低いがゆえにボツになった原稿は、書籍になる原稿の数倍から数十倍にのぼった。それゆえ、「なぜこんな(キツイ)事をやっているのだろう」という思いはいつも感じていた。
また、暗中模索の日々ゆえに「一体、ゴールなんてあるのだろうか。本当に本が書けるのだろうか」という不安に駆られていた。それでもなお、このプロジェクトから得られるものは大きいだろうという漠然とした期待を抱えていた。しかし、それが一体どんなものなのかわからなかった。そのため、自分なりにエピローグをまとめることで、今の経験をどのようにとらえればいいのか、また、ゴールから見たらどのような気持ちなのかを考えてみることにした。ようは、少し華々しい未来を想像することで気を紛らわせたかったのだ。
とはいえ、簡単にまとまるわけもなく、それとなく日々は過ぎていったが、ある日、光が見えた。
「もしかして、この経験はまさに正統的周辺参加ではないか」というものだ。
正統的周辺参加については、本文を読んでもらいたいが、そのとき感じていた想いを正統的周辺参加として振り返ってみると、「スッとくる」感覚があった。教育にまつわる執筆をすることも今までにない経験であるし、それ以上に一人の職業人として、むしろ一人のプロフェッショナル(正直、値していないのですが)として扱ってもらっている環境こそが、私にとって「正統的」であったし、活動のプロセスも「周辺参加」であったといえる。
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未来を想像して書いたエピローグ
…(前略)…
book研での活動は、はじめ、何もかも意味がわからなかった。議論についていけなかった。
それでも、「何とかついていかなければ」という一心で食らいついていった。
周りが当たり前に議論している中に、よくわからない単語があればすぐにメモして家で調べまくった。
紹介された本は、とりあえず図書館で借り、さっとでも目を通した。
本も買いに買った。結果的に海外旅行に行こうと思って貯めていた貯金が、国内旅行にすら逼迫する状況になった。
自分でそろえるのが難しい本(1冊1万以上するもの)は、担当教員(青山学院大学 玉木欽也先生)の研究室で買ってもらった。(きっと、今のところ僕しか読んでないものがいくつかあるかと思う)
そんな日々は、異常なほど刺激に溢れていた。自分の限界を出した文章がコテンパンにやられても楽しかった。毎回、新しい刺激を得ていたので、2時間前の自分の限界を軽く突破していけるような気がする時が何度となくあった。本を執筆するという経験を通じて、僕はたくさんのことを学んだ。今振り返ってみれば(未来を想像して書いているので、ここではまだ妄想に過ぎないが)まさに、正統的周辺参加だったといえよう。
本書は、教育学の知見を提供することが目的となっている。そのため、本書がビジネスパーソンの何らかの学びに貢献してほしいと強く願っている。しかし、この本で一番学んだのは、他でもない僕自身なのではないかと思っている。執筆メンバーと、本書に対し、本当に感謝している。
…(後略)…
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さて、本書は長い胎動の時期を終え、旅立とうとしている。
実は、本書を執筆している段階では執筆メンバーそれぞれ大きな変化を遂げた。何年もの会社員生活からキャリアチェンジし、大学教員への道を進みだした北村さん、第1子をご出産された荒木さん。そして、学生生活を終え、社会人へと歩みだした私。そのほかのメンバーにも少なからず変化があった。もしそれを予期していたなら、決してプロジェクトはスタートしなかったと思う。それぞれの人にとって、このタイミングしかなかった訳であり、つくづく「いい時期だったなあ」と感じている。
ある研究会の休憩時間にMITから帰国されたばかりの中原さんとトイレで並びあったときに、「橋本くん、ブログ読んでるよ」から始まり、突然研究室への電話で「プロジェクトやるんだけど、入る?」で決まったプロジェクトはあまりに大きなものを僕に残した。チャンスは拾えたと思う。すっげー重かったけどね。
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未来を想像して書いたエピローグ
…(中略)…
本書が発売される頃には、僕は違う道を歩んでいるはずだ。そして、違う集団に参加しているはずだ。本書を手に取ったときに、「あの頃はがんばっていたな」と思うのか、それとも「(今はもっと出来るけど)あの頃もがんばっていたな」と思うのかが大きな課題だ。何とかして、後者になれるように努力したいと思っている。本書に抜かされることなく生きていきたい。
「しかし、かなり高いハードルにしちまったなあ」
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こりゃ、エピローグじゃなく、感想だな(笑)
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コメント
1. 投稿者 kawamuran : 2006年07月22日 05:02[RES]
昨年NIMEのセミナーで、この本の発売についてうかがい、楽しみにしておりました。私の職場は教育機関でありながら人(職員)を育てていくのが下手なのだと思っており、じゃあ、どうすればいいの?と言った時、自分なりの考えが展開できるようになりたいと思っていたからです。ID、人材育成などは、教育学の勉強が必要ですね。学習ゴールがかなり先で、簡単に”興味がある”などど言ってはいけない気もしますが、何とか頑張りたいです。エピローグ、とても参考になりました。本が店頭に並ぶのを楽しみにしております。
2. 投稿者 hashimoto@トロッコ蜜柑
: 2006年07月23日 15:09[RES]
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